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■日々是カンゲキ ータカラヅカ エッセイー 第5回「組カラーは並びも大事」

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5
組カラー
並びも大事

日々の観劇(感激)生活の中での起こりがちなできごと(あるある)を実体験も交えて面白く描写しつつ、よくある疑問を一緒に考えてみる、エッセイ風なコラム。その時々に上演されている作品に関するお役立ち情報も折り込んでいきます。
第5回目は「組カラーは並びも大事」です。ぜひご一読ください。

昨年のクリスマスのこと、心優しい友人が贈ってくれたプレゼントの中に、何故か5色のタワシセットが入っていた。それは上からブルー・ピンク・グリーン・イエロー・パープルの順に並んでいて、周囲のヅカ友たちは一様に「並べ替えたいっ!」という反応を示した。
何のこっちゃ?という話だが、これはタカラヅカの組カラーといわれる5色なのだ。花組がピンク、月組がイエロー、雪組がグリーン、星組がブルー、宙組がパープル。5組を表記するときは、その歴史の古い順に花月雪星宙と書くのがお約束だから、先ほどの5色タワシもピンク・イエロー・グリーン・ブルー・パープルの順になっていて欲しい、とまあそんな話である。
花組がピンクで月組がイエロー、これは納得である。雪組といえば思い浮かぶ色は白だが、地味だからグリーンにしたのだろうか。宙組がパープルなのも、神秘的な宇宙のイメージということで、まあわからなくもない。だが、星組がブルーなのはいったい何故? どなたかご存知の方がいたら教えてください。

宙組公演中、あるヅカオタ老夫婦の会話
宙組公演中、あるヅカオタ老夫婦の会話
※宝塚歌劇オフィシャルショップ

この組カラー、かつてははっきり決まったものではなかったようだ。たとえば、1984年に開催された「70周年大運動会」では、何と花組が青、月組が黄、雪組が白、星組が赤でユニフォームなどをそろえていた。しかもこれ、抽選によって決められた色らしい。
これが100周年の2014年に行われた大運動会の頃には組カラーはすっかり定着し、会場となった大阪城ホールは観客席までくっきり5色に分かれていた(注:タカラヅカでは10年に1度、生徒たちによる「運動会」が開催されるのです)。
そんな「組カラー」へのこだわりの背景には、他ジャンルでの推し方の影響もあるかも知れない。たとえば「テニミュ」ことミュージカル『テニスの王子様』はチームごとのカラーが決まっているし、ジャニーズもメンバーカラーが決まっていたりする。
最近は舞台上でも組カラーを意識した演出が見られる。花組誕生100周年を祝したショー『The Fascination』ではピンクの衣装が華やかだったし、月組『FULL SWING!』のパレードで新トップスター月城かなとが背負った羽根の淡く上品なイエローも印象的だった。
だが、タカラヅカファンならではの特徴は「5色がそろっている状態が好き」なことではないだろうか。つまり「5組そろったタカラヅカが好き」なのである。かくいう私も、先ほどの5色タワシ、5色セットのままバスルームに吊るして愛でている。

牧さんちのバースデーケーキ(実話です)
牧さんちのバースデーケーキ(実話です)

このことは企業の商品開発担当者も知っておくと良いのでは? ティッシュでもノートでもタオルハンカチでもお菓子でも、5色並べればタカラヅカファンにはきっと売れる。その場合、並び順を間違えないことが肝要だ。
じつはこのチラシの色も組カラーになっていること、お気付きでしたか? ピンク、イエロー、グリーン、ブルーと続き、そして今回はパープルと、ちゃんと順番を守って組カラーを一巡してきた。さて、次回以降は何色が巡ってくるのか? どうぞお楽しみに。

WEB版追記:WEB版のメインカラーはタカラヅカのすみれ色ですが、各回のタイトルや中本さん・牧さんのご紹介文に組カラーを採用しております!次回のカラーをお楽しみに!

中本千晶(なかもと ちあき)

1967年兵庫県生まれ、山口県周南市育ち。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。
舞台芸術、とりわけ宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。
主著に『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ新書)、『タカラヅカの解剖図鑑』(エクスナレッジ)。早稲田大学講師。
新刊『タカラヅカの解剖図鑑 詳説世界史』(エクスナレッジ)好評発売中。

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2021年12月2日発売
文/中本千晶
イラスト/牧彩子
監修/川村宏(高校世界史担当 社会科教諭)
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イラスト牧彩子(まき あやこ)

1981年生まれ。宝塚市在住。京都市立芸術大学を卒業後、2008年より宝塚歌劇のイラストを中心に活動。宝塚歌劇情報誌TCA PRESSのイラストコーナーを連載中。『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』、『タカラヅカ流日本史』などのイラスト担当。
初の自著『寝ても醒めてもタカラヅカ‼︎』の他、新刊『いつも心にタカラヅカ!!』(平凡社)好評発売中。

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次回予告

第6回「日々是カンゲキ」のテーマは、「一粒で二度美味しい!!」

タカラヅカファンにとって、ご贔屓スターは「一粒で二度美味しい」存在!
お芝居で魅せてくれるご贔屓スター、ショーで魅せてくれるご贔屓スター、自分磨きだって怠らないご贔屓スター…。「一粒で二度」どころか、むしろそれ以上!?
そんなタカラヅカファンなら思わず頷いてしまうようなあるあるについて、中本さんと牧さんの素敵な文章とイラストをお届けいたします。
「日々是カンゲキ」はセディナ貸切公演にて先行配布中。第6回「日々是カンゲキ」は2022年4月以降の貸切公演にて配布予定。WEB版の掲載は貸切公演での配布終了後となります。
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