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■ミュージカル『蜘蛛女のキス』石丸幹二さん《インタビュー》

梅田芸術劇場_蜘蛛女のキス_キャスト名無_450

ミュージカル
蜘蛛女のキス

INTRODUCTIONはじめに

不朽の衝撃作、待望の上演!
獄房の一室で繰り広げられる、究極の人間ドラマ。

ミュージカル『蜘蛛女のキス』は、1976年に出版されベストセラーとなった作家マヌエル・プイグ作の小説を原作として1990年代にミュージカル化され、1993年にはトニー賞ミュージカル作品賞などを多数受賞した、日本でも人気の高い作品です。
音楽と歌詞は、『キャバレー』や『シカゴ』などのヒット作を生み出してきたコンビ、ジョン・カンダーとフレッド・エブが手掛け、その名曲は、数々のミュージカル俳優によりコンサート等でも歌われてきました。抒情的かつメロディアスな楽曲が、全編にわたり作品を彩ります。

そんなミュージカル『蜘蛛女のキス』、主演の石丸幹二さんに意気込みを伺ったZoomインタビューの様子をお届けします。

STORYストーリー

舞台はラテンアメリカの刑務所の獄房の一室。
映画を愛する同性愛者のモリーナ(石丸幹二)は、社会主義運動の政治犯バレンティン(相葉裕樹/村井良大)と同室になる。人生も価値観も全く違う二人。お互いを理解できず激しく対立するが、時を重ねるうちに次第に心を通わせていく。
モリーナは、心の支えである映画スター大女優オーロラが演じる蜘蛛女(オーロラ/蜘蛛女:安蘭けい)について語り、運命を支配するように、“彼女”は現れるようになる。
極限状態で距離を縮めていく二人。
モリーナは所長から、バレンティンに関する秘密を聞き出すよう取引を持ちかけられている。しかし、バレンティンへの想いから、モリーナは動かない。
ついに所長は、モリーナがバレンティンの仲間と接触することを期待し、モリーナを仮釈放にすることを決める———。

INTERVIEW石丸幹二さん
インタビュー

ホリプロ_蜘蛛女のキス_石丸幹二様01

作品の印象や感想をお聞かせください。また、この作品への出演のお話がきた時は、どのような気持ちになりましたか。期待や不安などはありましたでしょうか。

最初にこの作品を知ったのは映画です。その後に、ブロードウェイでミュージカルを観ましたがとにかくチタ・リベラの演技が強烈だなと、強い印象が残りました。さらにその後、原作の小説を読み、ミュージカルとは視点が違っていて、光の当て方によって、こんなにも見え方が違うんだなと思いました。
ミュージカルの舞台デビューからここに至るまでいろいろな作品を経験しましたが、この年齢になって社会性の強いミュージカルに多く出演できることは嬉しいですね。

モリーナを演じるにあたりご自身に必要なものは何だと思われますか。また、本番までにどのようなモリーナをつくりあげたいと考えていますか。

世界中で個性豊かな俳優たちがモリーナを演じていらっしゃいます。今は、戯曲を深く読みこむ段階。どんな想いがでてくるか確認しつつなんですが、モリーナ独特の考え方に加え、空想や妄想までが、その世界観に入ってくる。だから、ものの捉え方、考え方を自分の中で整理して咀嚼しないといけないと思っています。それにプラス、モリーナには課せられた使命がある。現実と使命との闘いと、多面的な部分をみせられるようにモリーナを演じなければ、と思っています。

モリーナには独特の妖艶さがあると思うのですが、あの妖艶さの出しかたや考えていることはありますか。

まだそこは研究中です。彼の心の中を自由自在に表せるようになると、その妖艶さが出てくるんでしょうね。そのあたりの扉をつくりながら、モリーナ的な考え方や美の追求の仕方を考えている所です。それが妖艶さにつながるといいなと(笑)。

社会性の強い作品はエンタメ性の強い作品よりもプレッシャーは強くなるものですか。

プレッシャーは変わらないですが、社会性の強い作品に向き合う場合、問題をはき違えてはいけないというプレッシャーはありますね。自分だけの解釈では進めないところがあるという意味では、非常に課せられたものが大きいし、責任は重いです。この年齢になってようやく社会派の作品をやろうという気持ちになったのも事実です。ただミュージカルは、社会的なテーマであったとしても、音楽やダンスがちりばめられることでエンターテイメントになると思うんです。社会性とエンターテイメントの両立は、個人的な見方ですが、レベルの高いアートをやっている感じがするんです。年齢的にも、いいタイミングで出会えた作品だと思います。

今回演出をされる日澤雄介さんの印象と、演出について期待される部分はありますか。また、日澤雄介さんのいる劇団チョコレートケーキの作品はご覧になったことはありますか。

「遺産」という作品を拝見しています。描かれているテーマや、刻まれているエッジの深さを強く感じて、この方の演出で「蜘蛛女のキス」はどんな風になるのかワクワクしつつドキドキしましたね。

相手役となるダブルキャストの相葉裕樹さん・村井良大さん、安蘭けいさんの印象をお聞かせください。

バレンティンの2人は個性がまったく違うと思っています。相葉さんとはミュージカルで共演したことがあるんですが、すっとした二枚目で心がまっすぐな人という印象でした。村井くんはドラマで共演しまして、その時は深い交流はなかったんですが、他のシーンでみせている演技にコミカルさがあって、感じたことを素直に演技に出せる人なんだという印象がありました。二人ともどんな解釈をして、それぞれのバレンティンをつくるのか楽しみです。
安蘭けいさんとは何作か共演したことがあります。彼女の宝塚時代の作品も観たことがあって、歌が上手くて芝居心があって踊りが凄いんですよ。だから今回、どんなパフォーマンスをするのかとても期待しています。宝塚でトップをやっていて魅せかたを知っている方なので、ショーのシーンは特に楽しみですね。

この作品でお気に入りの楽曲と、楽曲の良さを教えてください。

蜘蛛女(安蘭けいさん)のタイトルソングが一番パンチありますね。以前この歌を歌ったことがあるんですが、歌詞のテーマと曲のうねりが心をザワつかせるんですね。モリーナの曲も、幅が広くて聞きごたえがありますよ。

石丸さんの感じるミュージカルの魅力を教えてください。

舞台は皆様に劇場に来ていただいて初めて成立するもの。客席に座ることで期待感が高まり、いっせいに集中して視線を注いでくださる。私たち役者もコスチュームを着て、舞台セットの中、照明を受けて、生演奏と共に歌い、演技する。そういうことでお互いに非日常を味わえると思うんですね。
このコロナ禍で劇場が開けないことがありました。だからこそ、私たちも皆様に提示するという行為について強い意志を持つようになりました。私たちも感染しないように心がけ、お客様も体調を万全にして来てくださることで、喜びも2倍3倍になると思うんです。つくづく、演劇って特別なものなんだなって。平和じゃない時にこそ求められる大事なもの、夢と希望を与えてくれるものなんだと思いますね。まだまだ劇場に来られない方もいると思うんです。ご高齢の方や医療関係の方などさまざまな立場の方がいると思うんです。早く平時に戻って、皆で作品を楽しめるようになれればと願っています。

ご来場のお客様へのメッセージをお願いします。

よく知っているタイトルだと思いますが、日澤さんの演出で装いも新たに皆様の知らない「蜘蛛女のキス」をお目にかけられると思います。
作品の持っているテーマは強いですけど、そこに散りばめられているエンターテイメント性も高いと思うので期待していただきたいです。今だからこそ出来る「蜘蛛女のキス」を届けられると思うので、期待して待っていてください。

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