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■ミュージカル『マタ・ハリ』取材会レポート

梅田芸術劇場_マタ・ハリ_キャスト_450

ミュージカル『マタ・ハリ』

フランク・ワイルドホーンの美しく雄弁な音楽が、歴史に名を残したひとりの女性の愛と悲劇の物語をドラマチックに描く

イントロダクション

本作は、『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』をはじめ、数々のメガヒットミュージカルを生み出す作曲家フランク・ワイルドホーンの新作として、2016年に韓国にて世界初演され、その素晴らしい楽曲と豪華な装置が話題となり、再演も合わせて累計20万人動員の大ヒットを遂げました。

その後、2018年に日本初上陸。石丸さち子訳詞・翻訳・演出のもと日本版として新たに誕生した本作は、多くのミュージカルファンを魅了し、連日スタンディングオベーションの熱狂が劇場を包みました。
あれから3年の時を経て、2021年夏、遂にミュージカル『マタ・ハリ』待望の再演が実現することとなりました。初演に続き、訳詞・翻訳・演出を手掛けるのは、石丸さち子。登場人物それぞれの繊細な心の動きを丁寧に捉え、物語をさらに深めていく石丸さち子ならではの世界観はそのままに、今回は新たなスパイスも加わり、初演より更にグレードアップしたステージをお贈りいたします。

そんな、ミュージカル『マタ・ハリ』の取材会が行われ、主演の柚希礼音さん・愛希れいかさんが登壇し、楽曲の魅力や意気込みを語りました。

梅田芸術劇場_マタ・ハリ_撮影:吉原朱美_450 撮影:吉原朱美

ストーリー

1917年、第一次世界大戦の暗雲たれこめるヨーロッパ。
オリエンタルな魅力と力強く美しいダンスで、パリ市民の心をとらえて放さないダンサーがいた。名は、マタ・ハリ。
彼女の人気はヨーロッパ中におよび、戦時下であっても国境を越えて活動する自由を、手にしていた。
その稀有な存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐は、彼女にフランスのスパイとなることを要求する。もし断れば、人生を賭けて隠してきた秘密を暴くことになる、そう、ほのめかしながら……。自らの過去に戻ることを恐れ、怯えるマタ。
同じ頃、彼女は、偶然の出来事から運命の恋人に出会う。戦闘パイロットのアルマンは、彼女の孤独な心を揺らし、二人は、ともに美しい夜明けのパリを眺め、人生を語りあう。
一方ラドゥーの執拗な要求は続き、一度だけスパイをつとめる決心をしたマタ。彼女の世話を続けてきた衣裳係アンナの祈りの中、公演旅行でベルリンへ向かい、ドイツ将校ヴォン・ビッシング宅で、任務を無事遂行する。しかし、謀略はすでにマタ・ハリの想像を超えて進み、アルマンへの愛に目覚めた彼女の運命を、大きく歪めようとしていた…。

取材会レポート

柚希さんは3年ぶりに再びマタ・ハリを演じることになりますが、今の気持ちからお聞かせください。

柚希礼音 3年ぶりにマタ・ハリができるということで、本当に大好きな役でしたので、心して魂を込めて演じたいと思います。

大好きな役というのはどういったところですか?

柚希礼音 実在の人物で、調べれば調べるほど色々な話が出てきます。“素晴らしく良い人”だけではないところも出てきますが、それさえも人間らしく思え、女を使って生き延びていくあたりが壮絶な人生ではありますが、共感できるところばかりです。そこを思いっきり演じたいと思います。

共感できるところばかりですか?

柚希礼音 はい。戦時中、女が一人、パリで生きていくのは、綺麗事だけでは難しい世界だと思いますので、そこに共感します。おそらく共感しない方もおられるでしょうが、むしろみんなに共感してもらおうとも思ってない女性を思いっきり生きたいなと思っています。

愛希さんは初めて演じられるということですが、いかがでしょうか。

愛希れいか 私は初めてなので、緊張しています。まだ分からない部分も多いですが、自分にとってすごく挑戦になるだろうなと思っています。
宝塚時代にファムファタールと呼ばれるような役をやらせてもらったこともありますが、やはり娘役ではない一人の女優として挑戦するのが初めてなので、もっと自分の殻を破らなければいけなかったり壁にぶち当たったりすることもたくさんあるだろうなと感じています。
演出家の石丸さち子さんとは初めてご一緒しますが、信じてついて行きたいと思います。
※ファムファタール:運命の女、男を破滅させる女

殻を破ったり壁にぶち当たったりすることもあるのではと思ったのは、この役だからでしょうか?

愛希れいか 実は、毎回そう思っています。
柚希さんがマタ・ハリについて、女というものをすごく武器にしていると仰っていますが、自分も娘役として常に男役さんのファンの方に気に入られるような演じ方をしてきたりとか、どうやったら好かれるかなということを考えたりして生きてきました。でも、今回はそういうところではない部分を出していかなければいけないのだと、柚希さんのお話を伺って思いました。殻を破らなくてはと思っています。

お二人ともワイルドホーンさんの作品はこれまでにも経験されていますが、その楽曲の魅力と、この作品で特に魅力的だなと思うところをお聞かせください。

柚希礼音 ワイルドホーンさんの曲は本当に一曲一曲がしっかりとした長さがあり、たっぷりと盛り上げていってバァーン!と終わるので、歌うのは本当に大変ですが、美しく心が揺さぶられる音楽を歌える喜びがあります。
私は韓国でオク・ジュヒョンさんが演じているのを最初に見ましたので、足元にも及ばないほど高い目標ですが、そこを目指しながらも、今の私が歌えるところをなんとか見つけていきたいと思います。
壮絶でドラマティックなこの作品を、石丸さち子さんがどのように演出してくださるのか、初演とはまた違ったものになりそうなので楽しみです。

愛希れいか 前にスカーレットピンパーネルという作品でワイルドホーンさんの曲に携わり、私は子役としての場面を少し歌わせていただきました。
耳に残り口ずさみたくなるようなキャッチーな曲が多く、本当にドラマティックでロマンティックなのだろうなと思わせるような曲ばかりです。今回のマタ・ハリの譜面を見させていただき、一曲一曲がすごい重量で、これ私歌えるかなーと。一回一回お客さんに投げかけるというような印象を受けたので、これはまた自分にとってすごく挑戦だししっかり頑張らないと!と気合いを入れ直したという感じですね。

一回一回お客さんに投げかけるような感じと仰っていましたが、柚希さんは前回経験されてみていかがですか?

柚希礼音 幕開きの曲からすごいのでびっくりしますが、そこで全お客様に嫌われなさいと石丸さち子さんに言われたことが印象的でした。

“嫌われなさい”ですか?

柚希礼音 前回は全客席に愛されようとしているところを指摘されました。“みんなに嫌われたってこの女無理と思われたってその女を演じればいい”と。

今回ダブルキャストで同じ役を演じるということですが、全く違うタイプのマタ・ハリになるのかなと期待しています。お互い俳優としての印象をお聞かせください。

柚希礼音 ちゃぴちゃん(愛希さん)と同じ役をするなんて信じられない!! 皆さんも思っているでしょうが私もめっちゃ思っています!
これまでも、私がダブルキャストの時は、「組むのではなくて?」と言われるくらい全然違うタイプのダブルの方が多いです。下級生のタカラジェンヌOGとは初めてのダブルですのでそれも新鮮です。全く違うタイプなので色々勉強させてもらいながら、刺激をもらいながら、お稽古場では一緒にマタ・ハリを作っていくつもりで過ごしたいと思います。

愛希れいか 私も最初はびっくりというのが一番でした。男役さんの時も女優さんになられてからも、常に前に前に進まれている、新しいものを追求して自分の個性をどんどん磨いていらっしゃるイメージがあります。私自身も拝見してすごく楽しませてもらっていたので、すごく尊敬していますし、前に進むエネルギーを強く感じていましたので、稽古場や近くで見させてもらえるっていうのはすごく幸せだなと思っています。前に進むってなかなか難しいことですが、自分も一緒になって前に進んでいきたいと思っています。

最後に本番に向けて今一番楽しみにしていることは何かをお聞かせください。

柚希礼音 楽しみにしていることは、また新しい自分に出会えたらいいなと思っています。この3年の間に私自身も色々な役を演じてきたので、その経験がマタ・ハリにどう活きるか、そこも楽しみです。

愛希れいか 私も新しい自分に出会えそうな感じがしますので、そこが一番楽しみです。娘役から女優になったと思ってもらえたら嬉しいですし、そうできるように自分をしっかり持っていこうと気合いは入っています!